「じゃあ、俺は今からノーマンのお見舞いに行くから、アメリアはクラウスたちをお願い」



「わかりました…」



セーファス司令官は私にクラウスたちを任せて、病院へ向かった。



私はセーファス司令官を見送った後、自分の部屋へ向かい、その途中にあるクラウスの部屋の前で立ち止まる。



今日はクラウスのこと、沢山教えてもらった。



吸血鬼を全滅すると言っていた理由。


吸血鬼討伐隊に入った理由。


また、笑顔……喜ぶ顔が無理と言った理由。



クラウスは約1世紀の間でさまざまな経験をしたんだ。



でもその経験があるから、今のクラウスがあるんだもんね。
…性格は難あるけど。



「…おやすみ、クラウス」




部屋の前でまだ気を失っているであろうクラウスにそう呼びかけて、私は自分の部屋へ戻る。



そしてベットの中に入り、先程のセーファス司令官の昔話のことを思い浮かべる。



シンディさんの仇であるクラウスの父親はセーファス司令官によって処罰された。



復讐の為に生きてきたクラウス。
今は何を支えにして生きているのだろうか。



私の中でそこだけが……
ずっと疑問が残ってる。