捕えられた吸血鬼






誰だってそんな理由で人を殺すなんて…許せない。



その吸血鬼…最低な男だよ。



「…ああ、でも一つだけいいものが見れたんだよね」



「……いいもの?」



「そう。その吸血鬼にクラウスのことを話したんだ。‘‘本当は貴方の息子です”って。そしたら、その吸血鬼は目を見開き、すごく吃驚してクラウスを見るんだ。いやぁ…あの表情は傑作だったよ」



「……」



初めて、セーファス司令官の黒い部分を見てしまったかもしれない。



今までも多少はあったけど、これほどの黒い部分はなかった。




「因みにトドメを刺したのは俺だから」


「え…クラウスじゃないんですか?」



「あ、その吸血鬼を傷めつけたのはクラウスだよ。だけどクラウスは吸血鬼討伐隊の一員。依頼がないと、何にもできないからね」




吸血鬼討伐隊が結成した時から、純血の吸血鬼である俺でも、今は‘‘長”の確認が必要になったし。とセーファス司令官は説明してくれた。