まぁ…確かにシンディはレパートリーが少ない。
でもだからと言って、不満に思ったことはない。
やっぱり、息子とかになると不満はあったんだろう。
そう思うと何だか可笑しくて、つい笑ってしまうと、クラウスはムッとした表情で俺を見る。
「セーファスは食べたくないの?母さんが初めて作る料理」
「それは是非とも食べたいね」
断るわけがない。
シンディが作る物なら、いくらでも食べるよ。
「じゃあ、今日からこれを使ってもらおう」
よろず屋で料理本を買い、プレゼント用に包装までしてもらう。
そして店を出て来た道を戻る。
「来年はクラウスがその料理本を見ながら、ご馳走作ったら?シンディ喜ぶと思うよ」
「じゃあ、その時はセーファスも巻き添えだから。俺、料理できないし」
「言っとくけど、俺も作れないから」
そう言うと、クラウスは使えないという目で俺を見る。
仕方ないでしょ。
今までキッチンすら立ったことないし、家には使用人がいるから、自分で作る必要なかったし。


