「…そうだね。当時はそう思わなかったね」
そう言ってセーファス司令官はコーヒーカップを皿の上に乗せる。
そして頬杖をついて、寂しげにあさっての方向へ視線を向ける。
今は…シンディさんのことを思っているのかな?
そう思っていると、セーファス司令官はぼそっと‘‘思う前にいなくなっちゃったからね…”と呟いていた。
セーファス司令官…?
「…シンディはね」
急に言葉をかけるセーファス司令官。
そして、彼は私の方へ視線を向ける。
「いつも幸せそうに生きていたんだ。クラウスのことを一番に考えて、クラウスの将来のことも楽しみにしていた。……だけど」
そう言ったセーファス司令官は急激に冷めた目つきで、ものすごい殺気を放つ。
私たち以外のお客さんもいるが、セーファス司令官の殺気のせいで、みんな表情が青ざめ、体も震え出していた。
そりゃそうだ。
セーファス司令官は純血の吸血鬼。
本気で殺気を向けられたら、一溜まりもない。
私だって…直接向けられているわけじゃないのに…体が震え出して、止まらない。
いつも、感情を表に出さないセーファス司令官がここまで感情を出すということは…
やっぱり…


