「クラウス…吸血鬼の世界でも、ルールというものがあるんだ」
それは人間と吸血鬼が共存して生きていく為に必要なルール。
その中で最も重要なのは、むやみに人間を襲ってはいけないこと。
もし、そのルールを破り、人間を襲ってしまったら、10年間はそれぞれの監視塔に閉じ込める。
しかし、人間を殺した場合は即処罰される。
だから、俺たち純血の吸血鬼が毎日街の中を巡回する。
何かあればすぐに対応できるように。
また、人間や吸血鬼の秩序を守る為に。
「だから…母さんを助けることができたんだ…へぇ…じゃあ、セーファスもそれが仕事なんだ」
「まあね。でも仕事はこれだけじゃないよ。他にやることもあるし」
「他のこと?」
「それはまだ内緒」
口元に人差し指を当てると、クラウスは怪訝そうな表情で見る。
「すぐ隠し事する…」
「大人の男はそんなものだよ」
そう言うと、クラウスから盛大な舌打ちが聞こえた。
なんという清々しさ。
相手は純血の吸血鬼だというのに。


