捕えられた吸血鬼







まだ蹲っているシンディに俺は優しく声をかけた。



「…ごめんね。今まで黙ってて」



「……」



「…大丈夫だよ、シンディの怖がることはしない」



俺は先ほどのシンディの記憶を思い返す。



いつも笑顔で癒してくれるシンディ。
しかし、その裏側にはかなり深い闇があった。



シンディの頭に手を伸ばす。
…が、触れる手前で躊躇い、手を引っ込める。



「…シンディが辛いなら、もう今日で終わりにするよ。クラウスも大分大きくなったし」



あと、勝手に記憶を覗いてごめん。と謝り俺は腰をあげる。



本当はずっとシンディのそばにいたかったけど、シンディの記憶を見たら……そんなこと言えるはずがない。



特に…男で吸血鬼の俺には。



シンディの部屋を出たら、クラウスのところへ行こう。


渡す物もあるし。



そう思ってドアの方へ向かおうとしたら、くいっと後ろから服を掴まれる。



「…シンディ?」



「……私たち、友達じゃないの?」