「大丈夫、俺に任せてよ。それにキミ、妊婦でしょ」
「そう…ですけど…」
「妊婦さんがこんな大きな荷物を持っていたら危ないでしょ。こんなに買うなら旦那さんと来たらいいのに」
後ろに振り返り、彼女にそう言葉をかける。
しかし、彼女は俺の言葉に暗い表情を見せる。
そしてすぐに笑顔を作る。
「残念ながら…夫はいません。…この子には父親がいないんです」
そう言って彼女はふっくらしたお腹を撫でる。
「私、両親もいなくて一人で暮らしているんです。だから安売りしていると、つい沢山買ってしまって」
「そっか…一人じゃ大変だね」
夫がいない…か。
この子…まだかなり若いよね。
両親もいないって言っていたし…
こんな若いのに、苦労しているんだ。
「大変ですけど、でもこの子の為なら頑張れるんです」
それにもうすぐこの子に会えるんです。と嬉しそうに話す彼女。


