森の奥に佇む一軒の屋敷。
私はここで生まれた。
そして、外は危険だと一度も屋敷から出してくれなかった。
この屋敷の周りに住む者は外を自由に歩いているのに…
なんで、私だけー…
「旦那様も奥様も今は外出中です。アメリア様が何かあれば、お二人に顔向きができません」
「むー…」
「いじけても無駄です。お食事の時間になるまで大人しく部屋にいてください」
そう言ってサリーは私の部屋から出て行った。
「……」
つまんない。
退屈。
どうして外に出してもらえない?
怖いって…何が?
……怖いのは、私たち吸血鬼じゃないの?