これは…男の…?


何故か、人の心臓の鼓動に感動してしまった私。



もっと聞きたくなった私は男に近づき、そっと男の胸板に耳を当てる。



さっきよりも大きく聞こえる、心臓の鼓動。

この音を聞くと、心が落ち着く。




…そういえば、私はこうして誰かと一緒に寝たことなんてなかった。




両親が家にいても、一緒に寝ることはなかった。


サリーだって、他の使用人だって…
誰一人いなかった。




ずっと、私は一人ぼっちで広いベッドに寝ていた。




そう思いながら、この音を聞いているうちに私はいつの間にか、眠りについていた。