捕えられた吸血鬼






クラウスは通信機を操作し、ベッドから降りる。



「血を洗い流して来るから、先に行ってて。あ、ちゃんと雰囲気を消す薬は飲んどけよ」




クラウスは私にそう言い、洗面所のドアを開ける。




私はそんなクラウスの後ろ姿を見つめ、何かを思い立った私はベッドから降りる。





「クラウス」




私はクラウスの名前を呼び、彼はゆっくりとこちらを振り向き、それと同時に彼の首元へ飛びつく。




そしてクラウスの血をひと舐めして、彼から離れる。



「……じゃ、先に行ってるね」




クラウスは私の行動に驚き、目を見開いたまま動かない。




それをいいことに私は一足先に部屋を出る。