捕えられた吸血鬼







「そんなわけで、がぶっといっちゃっていいよ」




私の口から指を引っ込めてくれたかと思えば…


まだそんなことを言ってるの…!?



せっかくいいムードだったのに…
クラウスのこと、感謝していたのに…!



クラウスはすぐにぶっ壊す。



「そ、そんな急には無理だよ。もう少し時間がほしい」




「十分に与えたでしょ。なのにアメリアはずっと血を飲むのに躊躇うから」



「そんなちょっとやそっとじゃ克服できないよ!」



クラウスに反抗していると、突然シンプルな音楽が鳴る。



その音を聞いたクラウスは舌打ちをし、ポケットから通信機を取り出す。



「あいつら、着いたらしい」




あーあ、俺は無駄に血を流したな。とクラウスは態とらしく嘆く。



そんなのクラウスが勝手にやったことだもん。