「今のアメリアはもう自分の欲を抑えることが厳しくなってきたんじゃない?今まではどう過ごしてきたのか知らないけど、俺に捕まってからは血を与えてきたんだ。血の味を知ったお前は、発作の時はきっと我慢できなくなるよ」
クラウスの言葉に私はさっきのことを思い返す。
それは先ほどの路地裏でのこと。
あの時は人間を襲うことを考えていた。
でもすぐにダメだと言い聞かせた。
今まで……屋敷で過ごしていた時は毎日食事に血を混ぜられていたけど、こんな感じにはならなかった。
……じゃあ、次の発作を起こした場合は、もう自分の欲を抑えられなくなるのかな?
…それだけは嫌。
本当に嫌だ。
でも、もし…本当にそうなら…
「…そうなったら……クラウスのせいじゃん」
そもそも私をこんな風にしたのはクラウスだ。
もし、クラウスから血さえ貰わなければ、こんなことにはならなかったはずだ。


