でも、なんでこの話をクラウスが知っているの?
……まさか、あの男の子ってクラウス?
…ううん、そんなはずがない。
だって、クラウスは人間。
人間なら……生きているとしても、かなりの年配になる。
でもクラウスはどう見てもまだ20代後半…
ありえない話。
じゃあ…なんで?
そう疑問に思っていると、クラウスはクスリと笑い出す。
「なに百面相しているのかと思えば……あの話は結構有名だよ」
「え、そうなの?」
「あの森の近くにある街の人たちはみんな知っているし、王都でも結構知ってる人はいるよ」
あ…そうなんだ。
そんな特別な話っていうわけじゃないんだ。
だからクラウスが知っているのもおかしくないんだ。


