捕えられた吸血鬼








「本当に強情な奴。本能には逆らえないというのに」




「…っ、いらない、って言ったら…いらない…っ!」




早く何処かに行って…、
私を一人にしてよ…




そう思っていると、男は私を拘束したまま抱き上げたと思えば、何故か男の膝に乗せられる。




「やっぱり、こう言う時は強行突破しかないよね」



「…なにを…」



男がこんなにいい笑顔を浮かべるのは、嫌な予感しかしない。



しかし、残念ながらその予感は当たってしまい、男は自分の腕から流れている血を口で含み、そのまま私に口づけをしてきたのだ。



「んーっ!?」



嫌だ、いやだ…っ


突然の口づけに抵抗ができなくて、遠慮なく血が流れてくる。



飲みたくないのに、ずっと口を塞がれて、息が続かない私は血を飲む羽目になった。



「…っけほ…っ」



急に血を取り込んでしまったせいか、咳き込んでしまう。



しかし、男は容赦なしに次の血を運んでくるのだ。