捕えられた吸血鬼






「アメリアはアメリアでしょ?」




「…っ」



「確かに、アメリアはヴァンパイアかもしれない。世間では恐れて怖いヴァンパイアかもしれない。でもアメリアという存在はただの世間知らずのお人好しでしょ?」



だから、ヴァンパイアが悪いからと言って、アメリアが消えることはない。



そんなクラウスの言葉に私は涙が溢れ、ぼろぼろと流れる。




ずっとその言葉を聞きたかったかもしれない。



私は私なんだって……誰かに言われるのを待っていたかもしれない。



吸血鬼だからとか、関係ないんだって…



「まぁ、アメリアに飽きたら殺すことには変わりないけど」




「…っ、それ今はいらない…」



涙を拭いながらクラウスに睨みつけると、クラウスは私の髪をわしゃわしゃと掻き乱す。



クラウスのせいで髪がボサボサになったじゃん!と心の中で文句を言う私。



でも今はクラウスに触れられて、すごく嬉しいんだ。