それから私たちはシアンさんの家から離れ、街の中を歩く。
「ノーマン、いくら相手が女性だからって、あんな約束していいわけ?」
「…仕方ないだろ。放っておけなかったんだから」
「そのまま言えばよかったじゃん。ファリス・パーキンスはもうこの世にはいないって」
クラウスの言葉に私は一瞬時が止まったかと思った。
この世にはいない…?ファリスさんが?
なんで、そう思うの?
私は足を止め、みんなの表情を伺う。
みんな、私と同じ反応かと思っていた。
だけど、みんなはわかっていたみたいで、暗い顔をしていた。
シアンさんの気持ちには…応えられないって…
最初からわかっていたんだ。


