「んじゃあ、後は好きなようにしていいよ。だけど席は立たないで。面倒だから」
「……はーい」
そんな子供みたいに…
私、子供じゃないんですけど。
そう思いながら、窓に目を向けると流れていく景色に私は見惚れる。
いつの間にかこの汽車出発していたんだ…
すごい…緑がいっぱいだ。
王都は建物や人がたくさんだけど、少し外れたら自然がいっぱい。
再び目を輝かせ、景色を眺めていると隣から笑い声が聞こえる。
「…クラウス?」
「いや…ごめん…、マジで子どもだなと思っただけ」
「私は子供じゃないし!」
そう反論するけどクラウスはくすくすと笑いが治らず、しまいにはガキと言われる始末。
むーっ、むかつく!


