「…アメリア」
「待って!もうちょっと!」
私は前に両手を組み、目を輝かせて汽車を眺める。
するとクラウスは溜息を吐きながら、私のところへ近づく。
「そんなに見て面白い?」
「だって…中々乗るものじゃないし!」
「…まぁ、アメリアにとってはそうかもね」
俺は仕事で何回も乗ったことがあるし。とクラウスは言う。
なんて羨ましい…!
《まもなく一番乗り場のー…》
「あ、アナウンスが鳴った。そろそろ乗らないと置いていくよ」
「あ、待って!」
スタスタと歩くクラウスを追いかける私。
そして汽車に乗って、中に進むと椅子がずらりと並んでいた。
すごいっ!
本と同じだ!