「クラウスが反抗期だから、俺悲しいんだけど」



「一生悲しんどけばいい」




じゃあ、俺たちは帰るから。とクラウスは私の手を握りしめたまま、会議室を出る。




私はクラウスに引っ張られながら、セーファス司令官に頭を下げ、彼は笑顔で手を振ってくれた。



セーファス司令官は人を従わせる雰囲気を持ってるけど、クラウスとの会話を聞いてて、結構気さくな人だと思った。




……でも、もう会いたくない。





クラウスと手を繋いだまま警察内を歩きながらそう思った。




ーーー1人会議室に残されたセーファス。


彼は再び机に腰を掛け、ドアの方に目をやる。




「あれが…噂のメイフィールド家の娘…ねぇ…」



お初目にかかって嬉しいよ。
セーファスはにやりと口角を上げ、ドアを見つめたままそう呟いた。


ー…しかし、セーファスの目は笑っていなかった。