「…で、お前はいつ“能力(ちから)”を使うんだ?」
「……え?」
ちから…?
なにそれ…?
初めて聞いた言葉に首を傾げると、男は私の反応が可笑しかったのか、声を出して笑い始めた。
「はははっ!なるほど…、お前より格下の奴らは能力を使ってきたのに、お前はそれさえ知らないとは…まるで箱入り娘みたいな感じだな」
…ほぼ合ってるよね、箱入り娘というのは。
でも能力…は知らない。
両親だって、サリーだって…他の使用人だって…教えてくれなかった。
「…まぁ、こっちとしては好都合だ。思ったよりも早く終わるからな」
そう言って男は再び私に襲いかかってくる。
「…っ」
どこへ飛んで逃げても、この男は追いかけてくる。
何か…撒く方法は…
「考え事なんて、随分余裕あるね」
「う…っあ…」
迫ってくると同時に警棒を振り下ろす男に咄嗟に腕で受け止めてしまう。
尋常ではない力。
普通の人間なら、絶対に骨が折れてる。


