「……アメリア、ちゃんと前向いて歩いてくれない?」
「だ、だって…!」
この街で日中に出たのは、初めて。
屋敷の近くにあった街とは違う賑やかさ。
ここが中心の街だからだろうか。
店だっていっぱいあるし、人も多い。
建物もどれも大きいし、豪華そうな家だってある。
どれも私にとっては初めてのものだから、つい目がいってしまう。
「だって。じゃない。すっごくアホ丸出しだけど」
「そ、そこまで酷くない!」
「それに、誰かとぶつかったりしたら、即、置いて行く」
「…ちゃんと前向いて歩く」
置いて行かれるのは嫌。
まず、迷子になる。
そして前みたいに、吸血鬼と闘いになるのも嫌。
あとから、恐怖が待ち構えているから。


