捕えられた吸血鬼








「言っとくけど…どんなに頑張っても無駄だよ」



「…っ」



それは…私が吸血鬼だから?
だから…どんな努力したって、クラウスを喜ばすことはできないの…?


そう考えただけで、私の涙腺が余計に緩み、思わず声をこぼしてしまう。



クラウスははぁ…と溜息を吐いた後は、私から布団を奪う。



そして無理矢理顔を向かされ、クラウスと視線を交わす。



「やっぱり泣いてんじゃん。面倒くさい」


「クラウス…」



ああ…やっぱり辛い…
クラウスの顔を見てさっきよりもずっと…



なんで、私は吸血鬼なんだろう…

なんで、私は人間じゃないんだろう…



もし、私が人間だったら、クラウスは私に喜ぶ顔を見せてくれた…?