「…そう、牙みたいな噛み跡さ。メアリー・アンドレア。お前は……ヴァンパイアだろ?」
男の言葉に周りにいた人たちは悲鳴をあげ、この場から遠ざけていく。
メアリー・アンドレアという女の人は苦虫を潰したような顔をし、爪を長く尖らせて男を刺す。
しかし、男は予想していたのか、軽い身動きでそれを避ける。
あの人は…吸血鬼、だったの?
え、でも…普通に街に溶け込んでいた。
吸血鬼はあの森の奥にしかいないと思っていたのに…
「は…っ、森の奥へひっそりと暮らしとけば、死なずに済んだのにさぁ」
そう言った男は顔を歪ませ、懐から銃を取り出す。
その表情はとてもー…楽しそうだった。
「…私にその鉛は効かないわ。吸血鬼はね、治療力はすごいのよ」
「ああ、知ってるよ。かなりの吸血鬼を始末してきたからな。それに、この銃は特別なんでね。いくら吸血鬼でも一溜まりねぇよ」
そう言って男はメアリーに発砲する。
メアリーは軽くそれを避ける。
吸血鬼は人の何倍よりも身体反射はいい。
だから、こんな戦いは無意味。
そう、思っていたのに…
軽く避けたその先には、何故かメアリーの胸に銃の弾が当たっていたのだ。


