「なーに、その生意気な目」




暗い一部屋にて。
手足を拘束されていて、身動きがとれない状態。



カツン…カツン…と音を立てながら、近づいてくるそいつは私の目の前でしゃがむ。


そして、くいっと顎を掴まれ視線を合わせられる。




「今、この状況をわかってるのかなー?」




楽しそうに歪んだその表情に、余計に睨みつける。




「いつでも殺せる状況なのに、お前って本当に面白い。……まぁ、でもそっちの方がイジメ甲斐があって面白いけどね」




クスクスと可笑しく笑うこいつは立ち上がったかと思えば、腰に挿していた警棒を取り出し、私の肩を突く。




「精々愉しませてよ?ーーヴァンパイア」




「ー…っ」




なんでこんな人に捕まってしまったのだろうか。