チーン
終わった。終わったよ私の人生。
あぁぁぁぁぁ……
やっちまった……
目の前には
横たわる吉公と、私が吉公で引いたであろう、りんごみたいな真っ赤な髪をした同じぐらいの歳の男。
ペチペチ
「い、生きてますか〜?」
「…………」
「ねぇ。生きてるよね?」
「………」
「生きてるよね?絶対生きてるよね?てか、生きてないと困る!ねぇ!死なないで!ねぇってば!きいてんの⁉︎」
「………」
「うっそーん。死んじゃった?もしかしてもしかしなくても死んじゃってる?
いやーー!私、人殺し⁈刑務所行き⁈
やだー!やだー!や「ヌワァァ⁉︎」ウヒョッ⁉︎」
「いってぇー!!クソッんだよこれ!」
ハッ!生きてる!ヤッホーーイ‼︎
これで人殺しは免れたわ!やった!やった!
「おい。」
ん?
「はい?」
「はい?じゃねーんだよ!なんだよイノシシって!てか、突進しといてあやまりもしねーのか⁈」
「あぁ。失礼いたしました。お怪我はありませんでしょうか?」
「無いわけねぇーだろーが!イノシシだぞ⁈」
ん?なんだこいつ?不良か?
「そうですよね。では今からタクシーを呼びますので病院へ。もちろん、治療費も払いますわ。」
一応これでも世界1位の財閥の令嬢だ。
父さんに迷惑をかけないために小さい頃から社交辞令というものはならっている。
うちは母さんが事故で死んでしまったから、父さんが一生懸命仕事をしているのだ。
そんな父さんの邪魔はできない。私の
夢は父さんを支えることだ。
「治療費とかは別にいいんだよ。おい?聞いてんのか?」
おっと、話の途中だったな。
「すみませんがもう一度お願いしてもよろしいでしょうか?」
「だーかーらー!治療費は良いって言ってんだよ。」
え?は?
「そういう訳にはいきませんわ。怪我を負わしたのは此方ですから。」
「治療費ぐらいどうにかなるっつーの。」
「ですが…」
え?この人、不良じゃないの?
不良って普通、おい。金よこせよ。
的なこと言うんじゃないの?

