片耳の聞こえない少女と新撰組



うっひょーーっ!
喧嘩買ったはいいけど……ギャラリー多すぎだろぉお!!!!
なに、え、新見さんと試合するだけなのになんで、全員集まってね?って勢いで皆いるの!?



木刀を握ったまま動かず相手の出方を見てたけど、周りの視線に耐えるのが苦痛すぎる!!



一言で言うなら、
に・げ・た・い!!!!





「降参すんなら今だぜ?」


ピクッー…!


「あ゛ぁ?誰が降参なんかすんですか?
貴方こそ、“女”に皆の前で負ける前に降参したらどうです?」

べーっと舌をだし挑発的な態度をとる。



「ふざけやがって…!!」


新見は上手くのせられ、先に動いた。


きたーー…!

フッー…


「……簡単に相手の言葉にのせられることなかれ」



木刀をふり下ろす新見の後ろに素早く回り込んだ。

「なっ…!?」

新見は反応し素早く体勢をととのえ、後ろに木刀を真横にふる。


中々、でも…。


「反応はいいです…

でも……」

しゃがみ、下から上に木刀をふりあげ新見の木刀を投げ払う。




「そんなんじゃ、
私には勝てないですよ」

新見の喉元に木刀をむけ、冷たく言い放つ。






周りは静まりただ目の前の状況に理解できなかった。



「ふぅ…芹沢さん、判定を」

「あぁ…勝者、高橋」




「ありがとうございました。」

木刀をさげ、
新見に綺麗な笑顔をむけてみせた。





「新見さんがまけた…?」
「まじかよ…」

周りはざわつき始め、土方は考えるようにただ黙っていた。