時代が違うかもしれない…?そ、そんなことあるの……?
その事実に酷く困惑し微かに震えた。
その姿を怯えているのだと、勘違いした男。
「わかったら、おとなしくついてこい!」
男は引っ張るように連れていく。
その様子を“かわいそうに”“関わらねぇ方が身のためだ”と周りの人達は気にするが誰も助けようとはしなかった。
「あ、あの…!」
「あぁ?」
俯き一言も話さなかったが、急に顔をあげ男に話しかけた。
「今って…何年ですか…?へ、平成、ですよね…?」
そうだよ。時代が違うなんて、そんなことあるはず、な、いーー………。
「は…?平成?なんじゃそれ…?今は文久3年だろーが」
……………………。
「ふ、文久…!?」
う、うそ…!!ホントにタイムスリップ…!?
男の答えに固まる。
驚き戸惑い困惑し、自分の顔がひどく歪んでいる気がした。