「ぅー…ちゃんと前を見て歩いてなかった私が悪いので、ごめんなさい…。では、これで…」
恥ずかしすぎるっ!!
さっ、と立ち上がって男に頭を下げ早口で謝って恥ずかしさから早足でこの場を去ろうとした
、が…
ー…ガシッ…
「おい、待て…!謝ってすむと思ってんのか!」
何故か男ははっ、と我に返ると腕を掴み、いきなり怒鳴るように言った。
えーー………。
「……どっちかというと私の方が痛い思いしたんですけど…。」
「…それは否定しない…じゃなくて、変な格好な上に生意気な!」
「…変な格好……?(私の服が…?ここは袴や着物ばかりだから…?)」
「顔はまぁまぁだし、おとなしくしてりゃあ危害はくわえねぇよ…」
男は腕を掴んだまま、もう片方のあいた手で左脇に差していた刀をチラつくようにみせた。
えっ……?!
か、刀……?!な、なに…?本物なの…?
このご時世に…?ま、まって…!!袴や着物ばかりで私の服が変。それでもし、あれが本物の刀なら…
ま、まるで…
“タイムスリップしたみたいじゃない”


