片耳の聞こえない少女と新撰組




「オレたちは、女房や子供たちを置いてきてるのに…遠い親戚だからと置くんですか…?」

「確かに弱くて役にたたないかもしれません……でも、必死で頑張ってるんです…!!」
「なのに…なんで…いつも…!!」

誰かが話すとそれにそうだ!と周りの隊士が同意していく。



「オレたちの意見はいつも聞いてくれない…」

“そうだ…!!”

「いつも報告だけ…はじめから決まってるならオレたちに意見求める必要ないじゃないですか…」

“そうだ…!!”

「幹部だけ……なら、オレらいらないじゃないですか…!!」

“そうだ…!!”





「土方さんの鬼……!!」

“そうだ…!!…ん…?”


「鬼畜やろう…!!はげろ…!!ハゲ方…!!」

“……”



周りの隊士に混じって言葉を乗せてみた。

はっ!

…………あ、あれ?
なんで静かになったんだ……?


や、やばいっ!

そぉ、と土方さんを見ると青筋を浮かべ顔をひきつらせてた。



「……ほぉ、てめぇ…。
それは誰の意見だ?ぁあ?」

「……!!ちょっ、なんで皆賛同しないんです!?」


賛同せず黙る隊士たちの方を向きバタバタ腕を動かしてもみんな目をそらしたままだった。





「……てめぇ、なに混ざって悪口いってんだ!!」

ー…ゴツン…




「ぎゃっ…!!頭割れるぅう…!!!!」


ひっどっ!!!

土方さん鉄拳喰らわせてきたよ!?
あまりの痛さに涙目で蹲り頭をおさえる。








「たく…お前らももうねぇか?」

土方さんはため息をついて、静かに問う。
その様子に自分達が何をいっていたのか改め自覚しさっと顔を青くさせた。


ありゃりゃ。

「あぁー…怒ってねぇから青ざめんな…


その…悪かったな」







(((ひ、土方さんが謝った…!)))

頭を掻き言いずらそうに謝った土方さんの姿に隊士たちと幹部たちが純粋に驚いたみたい。