片耳の聞こえない少女と新撰組




「たくっ…近藤さんが決めたことなら仕方ねぇ…」

ため息をつきながらも賛同する土方さん。

「そうですね…。
確か、空き部屋がひとつあったはずですし、そこにいてもらいましょう」

と話を進める山南さん。




“近藤が決めたことなら”と、ここにいる全員否定するものはいなかった。
そのことに嬉しく“ありがとうございます”と笑った。





あっ、そうだ。

「あの、監視はつけてもらっても構いません。というよりつけてもらえないでしょうか?」


真面目な表情言った言葉に反応をしたのは土方さんだ。

「監視はつけるつもりだが……。
信じてもらいてぇからいってんのか?」
「違います。」



土方さんの言葉にキッパリ否定する。



「迷子防止のためです。」

「……」


「「「…っ、ぷはぁっ…!!」」」



真顔で真剣な表情するつばさに何かあるのかと思った土方はその言葉に青筋を立て、また笑う3人。




「私、迷子常習犯で今まで一人でまともに迷子にならずにいられたことないんです。
特にこんな同じような景色だと確実に迷子になります!」

「つばさ君は方向音痴なんだね」


「え、えへへ…」

近藤の言葉に恥ずかしそうに笑うつばさに



どうにもこいつのこと疑いにくすぎてやりにくい…。

と、
土方は呆れた表情をしながら思うのだった。