《ギシッ…ギシッ…》



階段の音が不気味に感じた。



「202…」



202号室の扉は少し古さはあっても
やはり綺麗だった。



ギギッと扉をあけると
やはり中も綺麗だった。
見た目だけでは、
幽霊が出るだなんて夢にも思わない。



ーよし、とりあえず荷物整理しよ!



私はスーツケースを部屋の隅に置き、
ダンボールを開け始めた。
最低限の荷物だけだったので、
荷物整理はすぐに終わりそうだった。



「そうだ、空気入れ替えよ♪」



私は窓の方にタタタッと走り、
勢い良く窓を開けた。
目の前はまあまあ大きな通りで、
横断歩道があった。



そこには、
「死亡事故発生」という
立て看板がたっていた。



ーあそこで人が死んだのか…



その立て看板の下には
花束が供えられていた。



《ねえ、きみ》



「え!?」



ーだれ!?



ふと後ろから声がした。
でも、誰もいない。



「大家…さん……?」



男の人の声に聞こえたけど、
大家さんであってほしいと思った。



《ちがうよ、幽霊だよ》



「!?」



ああ、本当だったんだ…。
霊感がない私でも聞こえるなんて…。



《きみはさ、幽霊って信じる?》



「えっ……」



信じるも何も、
いまそういう現象が起こってる。



「……信じますよ。」



今さらだけど、
部屋から逃げ出さない自分、
すごいと思う。



普通に会話しちゃってる。



《信じてくれるの?!》



その幽霊?は、
急に興奮したように声を高くした。



《じゃあ、姿見せちゃお》



ー!



ふわっと淡い光とともに、
その幽霊は姿を表した。



「俺は湊人(みなと)。よろしく!」
「あ、私……真帆です……。」



にかっと笑った湊人という幽霊は、
顔立ちはとても整っていて、
身長は180cmぐらいで、
モデルみたいだった。