「なんだよ…」

わざと冷たい声を出す。

「あ…っごめんなさい…。ちょっと渡したいものがあって…」

「置いておけ」

「うん…わかった。おやすみなさい…」

ドアごしでも杏の声が震えてるのがわかった。

いったいどれだけ泣いたんだ?

ごめんな…

杏…

杏の部屋のドアが閉まった音が聞こえるとドアを開けた。

「…手紙…」

杏らしい四つ葉のクローバの便せん。