「で?『彼女は残しておいてください。』って言ってたが、彼女はなんだ?お前のコレか?」 刑事が小指をたてた。 叶亜が呆れたように首を横に振る。 「彼女は、僕の依頼主ですよ。」 「ほう。君、名前は?」 刑事が詩音に顔を近づけた。 「……瀬織詩音と言います。亡くなった瀬織大司の娘です」 「詩音ちゃんか。俺は阿部雄三(あべゆうぞう)。叶亜の昔からの友人だ」