「……では。始めましょうか。」 叶亜がゴホンと咳払いする。 「まず、事件の整理から。 ここへ僕が来た理由は大司さんの遺産の相続人がなぜか愛子さんで、それをおかしいと思った友美さんが娘さんを頼って僕に依頼してきた。 そうですね?」 叶亜が紳士口調で詩音に確認してくる。 詩音は力強くうなずいた。