お母さんの中に生まれた感情が……悲しみ? 「……そんな訳ないじゃない。遺産が手に入るのよ」 「じゃあ聞く。……君は今まで彼女が君に注いできた愛情に偽りがあると思うのか?」 詩音が力なく首を横に振る。 「……お母さんはずっと大好きだった……」 「じゃあ簡単だ。彼女の君への愛情が嘘じゃない、真実ならば、君が彼女を信じればいいだけだ」