「おかえり、アリス。
キミをずーっと待ってたんだよ。」


不思議な夢をみた。


なんだか霧がかかってるみたいなはっきりとしない視界だったけど。



そのセカイで、わたしはなんだか必要とされていて。


「ゆめ、か…」

いつもと変わらない自分の部屋をみて、小さくため息をついた。


たしかに毎日なにも楽しいことがない。

だからって、こんな変な夢まで見てしまうなんて…。


わたしは体をゆっくりと起こしてカーテンを開けると、大きく背伸びをした。



「でも、いい夢だったなあ…」


「じゃあ、そこに行こうよ?」


「……え?」

わたしは一瞬、耳を疑った。


だって、ここにはわたししかいない。


なんで、わたしの独り言にへ、返事が…?


「つれっててあげよぉか~?ふふふふっ」


その声は、わたしの後ろから聞こえていた。



「ねーえー。こっち向いてよ~。」



まだ聞こえる。


でも、なんで…。


わたしは恐る恐る後ろを振り返った。