偽り彼氏















「お前、今まで彼氏いたことねぇだろ」



「わ、悪い⁉︎」



「別に?」




…やっぱりな。
まぁ、今の状況で彼氏いたら問題だけどな。





「そういうあんたはどうなの⁉︎」



「いねぇよ」



「えっ⁉︎なんで⁉︎」



「なんでって…興味ねぇんだよ、恋愛とか」



「嘘でしょ…⁉︎じゃあ、好きな人もいないの…?」



「いねぇっつってんだろ」




茉莉はポカーンと口を開けたまま俺を見てくる。
なんだよ、そのマヌケな顔は。





「お前、すげぇ顔してる」



「えぇ⁉︎どんな顔⁉︎」



「鏡で自分の顔でも見れば?」





俺は鼻で笑いながら、冗談で言ったつもりだった。






「…は?お前、本気でやってんの?」



「だって、柊が変なこと言うから〜!」




茉莉はほんとに鏡で自分の顔を見ていた。
…こいつ、本物のバカだな。
でも、茉莉はそこら辺の女とは違うと思った。
笑ったり、怒ったりして子供みたいな茉莉をずっと見てても飽きないと思った。