偽り彼氏















「…あっ!龍崎くんいた〜」




女は俺に近づいて来る。




「…あの、何するつもりですか?」




うるさい女は声を震わせながら言った。
でも、俺は何も答えなかった。
…ほんとはこんなことしたくねぇよ。




「…龍崎くん、その女誰?」




…んだよ、その目つき。
振られたからって機嫌悪くしてんじゃねぇよ。
…ほんと、イラつく。







「俺の彼女だけど」






こう言えば、女は離れて行く。
…そうだろ?
俺は別に誰でも良かった。
彼女のフリをしてもらうだけだし。





そして、俺はニセカレとしてこのうるさい女と付き合うことになった。
…確か、星野 茉莉だっけ?
まだ話の分かる女でよかった。



でも、この女との出会いが俺を狂わせることになるとはまだ知らない……