ふと見上げた柳の木。
蒼い月の光に照らされて淡い輝きを身に纏う姿はなんとも幻想的で。

柳から視線を外すことが出来ない。

そうこうしているうちに鈴の音は次第に大きさを増すばかり。そして、その淡い光に包まれて柳の幹から一人の少女がゆっくりと現れてくる。



「?!」

声にならない叫びを上げ、大きく目を見開くと幹から姿を現した少女はゆっくりと地面に着地する。



あぁ、幻を見るほど俺は酔ってしまっているのか。

こんなかぐや姫を見てしまうほど、俺は人恋しいのか。