確か、この柳の木を右に曲がれば… ゆらりゆらりと柔らかに靡く柳の木の隣を曲がりかけたその時、 チリン… 微かな鈴の音が響いた。 チリン…チリン… 私の後ろには誰もいないはずなのに小さくなり続ける鈴の音。 普段なら恐怖を感じるであろうその音色に今は何故か興味を惹かれた。 「…誰かいるの?」 か細い声を発し、そっと振り返るもののそこにはやはり私以外誰の姿もない。 ザワザワと静かに靡く柳の木があるだけ。