「…おい、大丈夫か?「ひじかたさんが連れて来た時は暗くてよく見えませんでしたが、物凄い美人さんですね!お名前はなんと仰るんですか?!あ、僕の名前はですね…おk」黙れ!一気に喋るな!固まってるだろうが」

ひじかたさんと呼ばれる男性が怒涛のマシンガントークを鎮めさせて、それによって喋り続けていた美形青年は口を閉じてションボリ肩を落とす。その様子があまりにも飼い主に叱られた仔犬そっくりで思わず吹き出してしまう。私の小さな笑い声に二人は目を真ん丸く開いて驚いたような照れたような笑みを浮かべて胸を撫で下ろしたようだった。

「すみません、なんだか可愛らしくて。私は相模蒼と申します。どういう経緯で貴方方に助けて頂いたのかは損じあげませぬが一晩泊めていただいたようで有難うございます。」

布団から出て、着物の着崩れを直し座って深々と礼を述べる。その行動に驚いたように彼らは慌てて、姿勢を正す。

「綺麗な上に礼儀正しい…ひじかたさんとは不釣り合いですね。僕は新撰組一番隊隊長の沖田総司と申します。」

「不釣り合いとはなんだ、俺とピッタリじゃねぇか。俺は副長の土方歳三だ。ところでお前どこの遊郭の女だ?連れてってやる」



…新撰組?遊郭?




「…ドラマか映画の撮影ですか?」
「どらま…?映画?なんの話ですか?」