「助かります。隊士たちが帰ってきたらお呼びするので申し訳ないのですが部屋で待機してもらっても良いですか?」
ほっとした表情の山南さん
それでもまだ少し落ち着かないみたいだ
笑って入るものの
その笑顔はぎこちなかった
「分かりました」
私は静かに立ち上がって
山南さんの部屋を後にした
来るときも帰るときも
やっぱり廊下には誰もいなくて
話し声も足音もしない
がらんと静まり返った屯所は
あまりにも寂しすぎた
毎日元気にはしゃぐ平助くんの声や
いつも誰かしらを冗談で挑発する沖田さんの声
そんな彼を叱りつける土方さんの声
無事に帰ってきてくれますように
また彼らの元気な顔を見られますように

