月明かりと薄桜 -誠の絆-



そして私達は元来た道を戻って屯所へと帰りついた


屯所を出たときは

まだまっかさらな青空だったのに

すっかり日は暮れて

真っ黒な空には丸いお月様が光っていた



でもそんな綺麗な月とは裏腹に

屯所の前には彼が立っていた



怖い怖い新選組の鬼さん



「てめえら、どこをほっつき歩いてたんだ?」


それは間違えるはずもなく

鬼の副長土方さんだった

私は隣を歩く沖田さんの肘をついて


「だから言ったじゃないですか…!」


小声で話しかけた

甘味処なんて寄ってるから

私は必死に抗議するものの

彼はまるでこの場を楽しんでるかのようだった


口元がかすかにあがってニヤついてる



やっと口を開いたかと思ったら


「君だって食べたでしょ?」


って。

この人…ずるい!