それだけ言うと沖田さんは私に背を向けた そしてそのまま話を続けた 「このご時世だ、いつ敵陣が襲ってくるか分からない」 「君だってそんなの分かってるんでしょ?」 沖田さんは少し顔だけこちらに向けて 冷たい視線を送ってきた 確かに、私はこれから先のことを知っている でもそれはあくまで現代で話されていることだ 今、私が知っている知識と 実際この時代に起こったことは違うかもしれない いや、少なくとも私がここにいる時点で歴史が変わってしまうかもしれない