月明かりと薄桜 -誠の絆-



その時だった

桜の木の後ろから

ひょっこり顔を出している男の子を見つけた



桜の木の大きさから考えると

身長は高めでひょろっとしてそうだった

悪戯にこちらを見ているその表情



やっぱりどこかで見たことある気がする

彼を見るのは

初めてじゃない気がする




「あの…?」



そう声をかけると

その男の子は一瞬寂しそうな目をした

けれどもすぐに表情を変えて

私を呼ぶようにこう言った




「凜、ただいま」




ドクンと胸が大きく鳴った

"凜"

なつかしいその呼び方


私、あの人のこと知ってる

きっとどこかで会ってる

そして私はあの人のことをよく知ってる