月明かりと薄桜 -誠の絆-



靴箱へ向かう途中

ある物が目に止まった



それは_____

中庭でひとつ存在感を放っている

大きな桜の木




今まではそんなに気に留めることもなかったんだけど


今日はどうしてだろう?

あの本といい、

私はそこに行かなきゃいけない気がする

そこで何かが起こる気がする




「綺麗…」



一歩中庭に足を踏み入れると

もうそんなのは頭の中から消えていた


ただ目の前で堂々とたたずんでいる

桜の木が純粋に綺麗だと思った


もう桜の季節も終わりかけていて

風が吹くとたくさんの桜が散っていく



私は手のひらを広げて

その上に降ってきた花びらを見つめた

すると、とくんっと胸がなった


どこかで同じことを経験したような…

そんな感覚に陥った