月明かりと薄桜 -誠の絆-




足を一歩踏み出して

君に近づこうとする

けどそれを

病が妨げる




「げほっ…げほ…っ!」



咳と同時に口を抑えたけど手遅れだった

廊下にこぼれ落ちる血

吐血

赤黒い血が僕に現実を突きつける

まるで僕に

彼女に近づくな

そう言ってるみたいだった



しばらくの間

こぼれた自分の治をただただ見つめていた

いろんなことを考えてた



病のこと

これからのこと

みんなのこと

君のこと



どうせ僕には時間がないんだ

決められた未来は結局変わらないんだ

それを彼女も知ってる



だからかな

君はたまに僕の顔を見て

寂しそうに笑うんだ