月明かりと薄桜 -誠の絆-



「沖田さん?」


部屋の前で息を整えて

彼の部屋のふすまを開けた


すると私は自分の目を疑った

てっきり生死を彷徨ってるのかと思ってたから…


布団の上で体を起こして

けろっとした表情で笑ってる沖田さん

呑気に手招きなんかして…




「ここにおいで」



彼はそう言うと

自分の隣をトントンと叩いた


"おいで"


なんでだろう…?

沖田さんがそこにいるだけで

そこで笑ってるだけで心がほっこりして

さっきまでの心の焦りがどこかへ飛んでいきそうになった



「手…」

「あっ…」



すっかり忘れていた

さっきまで背中に隠していたつもりなのに

走って部屋に来たせいか

すっかり忘れていた


沖田さんは私の体を見ると

ちょっと寂しそうに笑った


だって彼は知ってるから

私の体が消えるということは

あなたの前からいなくなるということ