月明かりと薄桜 -誠の絆-



何も喋らない私にしびれを切らせたのか

彼はまた怪しげな笑みを浮かべた

何かを企んでるかのような

そんな、笑顔_____




「君、すっかり綺麗になったね」

「ちょっと…!」



突然何を言い出すのかと思ったら

彼は私の首筋に手を当てて

グッと顔を寄せてきた


相変わらず綺麗な顔の彼

そんな顔が今じゃ恐ろしい

誰も私達の方を見ておらず

酒を飲んだり踊ったりどんちゃん騒ぎだ




「ここじゃあれだから別の部屋に行こうか」



彼は私の右腕を掴んですっと立ち上がった



ちょっ…どうしてこうなるの?



"助けて"

そう言えば助かったのかもしれないけれど

何も言えなかった

ここで騒ぎを大きくしてしまったら

私は任務をこなせなかったことになる

そして下手すれば新選組の者だとバレてしまう


それだけは勘弁してほしかった