月明かりと薄桜 -誠の絆-



「ふふ、君見たことあるなあ」


黙ってお酒を注いでいると

蒼さんがニヤリと笑みを浮かべた


背中がゾクッとするような

そんな感覚が私を襲った


ここにいるのは私が知ってる蒼さんじゃない…


蒼さんは甘味処のか弱い男の子で

でもここにいるのは長州の武士?




「どこかでお会いしました?」



ここは関わらないほうがいいと思った

だから私はすっとぼけることにした


けれども彼には確信があった

確実に覚えていた

私と、もう一人の彼のことを_____




「沖田くんは元気にしてる?」



心臓がドクンと大きく音をたてた

バクバクとうるさい心臓


沖田さんのことまで彼は覚えてる

でもここで口を滑らせるわけにはいかない

新選組の者だとバレるわけにはいかない



「さて、なんのことでしょう?」




私は嘘を貫くことにした